Where the Sun Rises

あなたのことを覚えておくために

アルバム『PLAYZONE'94 MOON』

 

はじめに

1994年6月17日、ミュージカルの開幕に先立ってリリースされたアルバム、『PLAYZONE'94 MOON』。

 

www.johnnys-net.jp

 

偉大なシンガー・森山良子さんをヒロイン役に迎え、劇中にもミュージカルやその稽古のシーンが散りばめられているだけあって、劇中歌のクオリティはPLAYZONE史上屈指だと思います。

さらに作詞は全曲、脚本を担当された井沢満さんによるもの。日本語の響きが美しいです。

※念の為、PLAYZONE本編ストーリーのネタバレはありませんのでご安心ください

 

 

 

 

1.MOON -MAIN THEME-

(作詞:井沢満 作曲:清岡千穂 編曲:若草恵)

壮大なオーケストラ調のアレンジが印象的です。これ、生演奏だったら素敵だろうな… 冒頭のハープの音色と、「銀のしずくの靴は誰に」の直後に聞こえる対旋律のリレーが大好きです。これは泣かせる裏メロ。ところどころ聞こえるホルンのグリッサンドもクラシック感を増していて、ミュージカルの幕開けに相応しい重厚感が加わっていると思います。

全体にわたって、錦織さんがビブラートをたっぷりきかせて歌うのが聴いていてとても耳に心地いい。個人的には植草さんのソロパートをもうちょっとしっかり聴きたかったなあと思います(歌割的な問題)。

 

 

2.Zig-Zag

(作詞:井沢満 作曲:清岡千穂 編曲:松井寛

錦織さんの英語の発音が好き!というのはこれまで再三言ってますが、この曲の錦織さんは、もはや日本語英語を問わず発音がいちいちセクシー。

先ほどの1曲目を朗々と歌い上げたのと同一人物とは思えない振り幅! 歌い方というより声そのものからガラリと変えているのに、どちらも歌声として無理がないと感じます。彼が声のお仕事をされていたのも非常に納得がいきます。神は一体このひとに何物を与えたんだ…

関係ないですが、CDの歌詞カードの左ページの写真の錦織さん、「美」でしかない。

 

 

 

3.星が運んだ物語

(作詞:井沢満 作曲:清岡千穂 編曲:若草恵)

東山さん演じる伊吹と、森山良子さん演じる友浬子が劇中のミュージカルでデュエットする曲。

あの、こんなことを言うのは上から目線感が半端なくてはばかられるんですけど(でも言いたい)、東山さんの歌が本当に上手になってる。同じデュエット曲としてで比較すると、1991年のシングル、亀渕友香さんとのデュエット『ジュエル』からはものすごく進化が感じられます。低音ではちゃんと地に足がついて、表現力としての儚さはそのままに、聴いていて不安がよぎるような浮遊感がきれいに消えた感じ。音源ではボーカルに若干リバーブがかかっているので定かではないですが、ところどころロングトーンではビブラートを少しかけている感じにも聞こえます(「夢の浮き橋架け」の”け”とか…ちょっとイヤホンして聴いてみてください)。きっと東山さん、この曲を歌いこなすために相当な努力を重ねられたんじゃないかな。

「ふたり 時は輝く」から「水をたたえたこの星」へつながる壮大なクライマックスの流れが本当に大好き。いつも鳥肌が立ちます。なんだろう、この曲に関しては上手く表現する言葉がちょっと見つかりません。それくらい好きです。そういえばこの曲、PLAYZONE開幕を控えた1994年7月のMステで披露されたそうで… めちゃくちゃ観てみたかったな(私まだ生まれてないけど)。

 

 

 

4.CRESCENT -三日月-

(作詞:井沢満 作曲:清岡千穂 編曲:久米大作

東山さんの「儚い歌声期」が大好きだ!ということはこれまでのブログでもしつこいほど書いてきたのですが、この「MOON」の年で彼はついにその域を脱したとわたしは考えます。劇場で生で聴いたわけではないので断言はできませんが、ビデオやCDで比較する限り、前年の「WINDOW」よりも歌唱力の面で大いに進化していると思うのです。特に低音に深みを感じます。

なにより、高音ががならなくなった。この曲のサビは音域が比較的高めですが、歌声にハリや伸びが出て厚みのある声に変化を遂げているように思います(真面目に書こうと思ったらただの偉そうな評論になってしまった、すみません)。

この曲は正直、すごくインパクトがあるわけではないと感じますが、聴けば聴くほど味が出る系かなと思います。じわじわと好きになる曲。

 

 

 

 

5.X1 バツイチ

(作詞:井沢満 作曲:浅田直 編曲:藤原いくろう

大好きな曲です! あたたかみのある声をもつ植草さんが歌うにふさわしい歌詞とメロディー。特に歌詞には、この曲に出会った時から何度となく励まされてきました(個人的な話ですが)。なぜならわたしは不器用で、だいたい何事も一度では上手くいかないし、血液型もB型だし(笑)「人生パッチワーク 色の数だけ味が出る」は、座右の銘にしたいくらい好きな言葉です。

この曲が再び表に出ることはもうないだろうなと思っています。音源化されていてよかったな。

 

 

6.Lunatic -恋-

(作詞:井沢満 作曲:清岡千穂 編曲:倉田信雄

森山良子さんのソロ曲。

一曲の中に壮大なドラマがあるなと感じました。強い意志が聴いて取れます。

いま改めて聞いてやっと気がついたのですが、「息が止まるほど私を愛して 風の息吹よ」って歌ってるんですね。”いぶき”か…

 

 

 

7.透きとおる

(作詞:井沢満 作曲:清岡千穂 編曲:久米大作

菜緒を演じた大村真有美さんのソロ曲。お三方は参加していませんが個人的に大好きな曲なので、音源化されていて嬉しいです。まさに透きとおった濁りのない歌声、こんな声になりたいなあ。

この曲は歌詞の響きが際立ってかわいらしく、きれいですよね。「夢色信号」って言葉がお気に入り。

グラスファイバーの花」「アクリルの恋」なかなか歌詞では使われないカタカナ言葉のチョイスが絶妙!なんかキラキラして聴こえます。

カタカナといえば、「風の色 ラベンダー」「ペパーミントの街角」香りを連想させる言葉が何度も出てくるのは、菜緒の少女性を表しているのかな?なんて考えたり。

 

 

 

8.Kirara キララ

(作詞:井沢満 作曲:清岡千穂 編曲:藤原いくろう

 1曲目『MOON -MAIN THEME-』のメロディーを用いた曲。

主題歌のテンポアップしたバージョンのこの曲を聴くと、宝塚のショーのフィナーレみたいだなって思います(笑)その理屈でいくとエトワールは植草さん…!(ちがう)

間奏のギターソロが好きです。この曲のアレンジは、ミュージカルに明るくポジティブな余韻を残してくれる感じがする。強いて言うなら個人的には1曲目のメインテーマのアレンジの方が好みではありますが、そもそも大前提として元のメロディーがいい…!

「快楽の夜光虫」というフレーズが気になって、「夜光虫」を検索してみたところ、このミュージカルの世界観にとても合う画像が沢山出てきて、思わず感嘆しました。夜光虫とはなんぞや?という方、ぜひ一度検索を。とても幻想的です。

 

 

 

おわりに

久々のアルバムレビュー、最後までお付き合い頂きありがとうございます。大好きなアルバムのはずなのになぜかなかなか書ききることができず、下書きに長いこと寝かせていたのですが、このままでは腐ってしまいそうだったので(笑)ちょっと荒削りですがなんとか形にしました。全国の『MOON』ファンの皆様、こんなペラペラな感想ですみません!!!

先日「関ジャム」を観ていて思ったのですが、わたしは音楽のプロでは全然ないですし音楽経験も浅い部類に入ると思うので、やっぱりこのブログはあまり解説・批評じみたことを書くよりも、ファンとして「ここめっちゃ好き!」みたいなのを全面に押し出していこうと思いました(笑)最近、理屈っぽく書こうと頑張りすぎてた感もあるので。むしろ「ここ好き!」は、ファンにしか書けないですよね?(開き直り)

そんな感じでこれからもゆるーく続けようと思いますので、お暇な時に覗いて頂ければとても嬉しく思います。

 

 

 

終わらない迷路

 

PLAYZONE 2002『愛史』フィナーレショー、東山紀之さんのソロ曲『迷路』。

 

すっかりこの曲の虜になって何度となくリピートしている今も、DVDで初めてそれを観た時の鮮明な衝撃が忘れられない。わたしの思い描いた、「こんな東山さんが見たかった」のかたまりだったから。

 

冷たく軋むベッドのMOONLIGHT

わたしも一応もう子供じゃないので、歌い出しのワンフレーズで大体どんな曲かは察したつもり。その上で、わたしはこれが好きになる、と直感したし、それは的中した。出口のない暗闇の中で孤独に苦しみもがく主人公の姿が浮かんできて、この曲を歌い踊る彼に重なった。

 

かなり安直な例え方をしてしまえば、22時とか23時、あるいは深夜の遅めの時間帯にやってる暗いドロドロしたドラマの主題歌みたいな曲だな、と思った。不倫とかしてそうな感じ。

サビの最初の言葉が悲観的なところに惹かれた。もう何もかもどうでもよくなっているかのような諦め。それでもきっと一度は愛を信じたんだろう。しかしそれは彼の幻想にすぎなかったのか、主人公は最後の最後まで孤独に苛まれたまま、この曲の終わりを迎える。この曲のあとに続く『Believe』という名の救いの手がなければ、私はこの曲がもたらすとんでもない絶望感から抜け出せないままになっていただろうと思う。

 

見覚えのあるコートのSILHOUETTE
ふりむいた街の幻想(うそ)

このフレーズでいつも思い出す曲がある。同じく彼のソロ曲、『ひとりぼっちのクリスマス』。

あなたに似たセーター
あなたに似た髪型
驚くピエロ それは僕のことなんだね

街中でふとしたきっかけから、もうそこにいないひとのことを思い出すのはつらい。空に流れていく雲を見つけては、追いかけて掴もうとするようなものだと思う。掴んだところで、それは消えてしまうのに。

 

わたしの好きなそのひとは尽く、ソロ曲の中で幸せになれない。"君"はいつも"僕"のそばにいないし、会えたとしてもそれは思い出や夢の中。

目を閉じた闇の中で 思い出のような君を見ている
『迷路』

I'm Alone 話したいけど
想い出にしか 君はいない
『君がいない』

教えてくれ 君の名前
めざめる前に 夢からさめる前に
『永遠の恋人』

My Love いつも夢の中では
あなたを腕に強く 抱きしめているはずなのに
ひとりぼっちのクリスマス

知れば知るほど、ハッピーエンドな曲が少ないことに驚く。アイドルがよく歌うような、いま目の前にいる君が愛おしくて仕方ないよ、みたいな曲は多分片手で数えられるくらい。正直、彼にハッピーエンドでない曲ばかりをあてた大人たちの気持ちはよくわかる。その切れ長の目の奥に憂いの色をにじませた彼には、まぶしい光に満ちた曲より、哀しい影のある曲を歌わせたいにきまってる。

そう考えると、『STRIPE BLUE』で彼が(ほぼ)固定センターに立ったのは少し特異なことだったのかもしれない。それはおそらくこの曲がシングル表題曲であるが故に、彼の憂いを帯びた一面よりも、爽やかでシュッとしたパブリックイメージにフォーカスした結果だと思う。それにしても、あのキラキラした夏曲を、アイドルスマイルを振りまかずして通常運転で歌えるのは凄くないか…? と、謎に感心してしまったりもする。

 

彼は、仮面を使い分けるのがうまいひとだと思う。いや、正確には、他人よりうまく使い分けざるをえないのかもしれないけれど。
『迷路』の冒頭にも、かの有名な『千年メドレー』の如く、かわるがわる仮面をつけかえるような演出がある。

あのひとの仮面の下はちゃんと、人間のかたちをしているだろうか。仮面が落とすその影は、孤独を隠してはいないだろうか。

 

 

『Season of Love』、それは天使の響き

 

はじめに

言わずと知れた珠玉の名盤『Prism』の中で燦然と輝く、植草克秀さんのソロ曲『Season of Love』。
植草さんのソロ曲は基本名曲しかないと思っていますが、この曲はわたしの中の不動の第1位です。今回は、この素晴らしい楽曲に対してわたしの思うところを言語化できるかぎり書き連ねてみたいと思います。
※毎度の事ながら自己満度高めです。考察とかは「ふーん、そんな考え方もできるか~」ぐらいに軽く捉えていただければ嬉しく思います(笑)

 

 

Season of Love 

 (作詞:陣内大蔵・山中耕作 作曲:陣内大蔵 編曲:秋元直也

 

◎イントロ

遠くで鳴り響くような鐘の音を合図にこの曲は始まります。これから起こる恋の物語を予感させるようで、なんだかわくわくしてきませんか?
ドラムの入りが、「さぁ行くよ!」って手を取って一緒に走り出してくれる感じがして、とても好きです。
シャンシャン鳴り出す鈴の音が、か、可愛い!!!これがこの曲をきらびやかで幻想的に、そして歌い手の彼にふさわしくチャーミングな曲にする鍵になっていると思います。

 

◎1番Aメロ~Bメロ

強がっていた 都会の日々が
まるで嘘に 思えてくる
真っ白な世界だね
目の前にある パノラマ映す
澄んだ心 取り戻せば
滑りだしてゆけるよ

この曲が描く情景が目に浮かびます。やさしく語りかけるような植草さんの歌声が、聴き手をこの「真っ白な世界」の中に引き込んでくれる感じ。
「強がってい」「目の前にあ」のような、語尾で音程が上がって終わるワンフレーズにおいて、植草さんの語尾のおさめ方はとても心地よいと感じます。『君だけに』の冒頭「君だけ ただ君だけ」なんかもそうです。

 

意外だなんてことも 大胆なことも
ゲレンデの恋人に 輝いて見えるよ  

少し音域の上がったBメロ。ゲレンデに例えるならリフトの役割でしょうか(?)
「見えるよ」で一音ずつのぼっていくのに加え、最後の”よ”の2音タイで一気に押し上げる感じが勢いをつけていて、サビへ向かい滑り出す準備は万端です。

 

 

◎サビ 

冬は風を連れ 僕は君を連れて
かけぬけて行くよ 果てしない夢の続きに

やっと二人は滑り出しました!!!お待ちかねのサビです。実はサビ前の「よ」の最後の音より低い音から、サビの頭は入っています。いったん下げて、「ふー↓ゆは↑」と一気に上げることで、目の前が一気に明るくなる感じが出ているのかなと思っています。
植草さんのソロパートやソロ曲にはとにかく、音と音の大きな跳躍が多用されている印象があります。ここでは「冬は」「行くよ」の部分。そして、難しいといえるその音程をしっかり当ててくるのが植草さん…!

雪は時を包み 僕は君を包む
優しさの中で
今は真っただ中 Season of Love

なんて柔らかくてきれいな歌詞! 聴き手の心まで包み込むような植草さんの歌声とも相まって、真冬が舞台の曲にもかかわらず、すごくあたたかい気持ちになれる気がします。
どこまでも伸びるような"Love"のロングトーン、聴いていて本当に気持ちがいいです。ビブラートも大好き。

音楽的な話をすると、"Love"の頭をFにしてサビを終わらせるんじゃなくて、Fsus4をワンクッション挟んでから解決するのが、めちゃくちゃ気に入ってます。手法自体は珍しくありませんが、ここではとても効いてる。
(※読んでくださってる方の中に「FとかFsus4って何?解決とは??」という方がもしいらしたら…と思い、軽く解説しますね。
"Love"の伸ばしてる音は全部で8拍なんですが、最初の4拍の部分は「Fsus4」と呼ばれる、少し複雑で不安定な響きの和音が使われています。このままではサビ終われないよ!みたいなモヤモヤする感じを与えておいて、最後の4拍はシンプルでほっとする響きの「F」の和音で落ち着かせて、やっとサビが終わった〜ひと安心!となるわけです。こうして落ち着かせることを「解決する」といいます)

 

 

◎2番Aメロ~Bメロ

重ね着しても 心踊れば
語り合える 分かり合える
もっとそばに寄りなよ
大切なもの 抱きしめ合えば
涙なんて 雪に溶けて
笑い飛ばせるだろう

2番に入ると、二人の距離が物理的にも精神的にもかなり縮まっている感じがしませんか?1番の時は特に距離感の描写はなく何も思いませんでしたが、今振り返るとその時の二人はなんだかぎこちなかったような気がしてくるから不思議です(思い込み?)。
1番にはなかった、ソプラノサックスによる対旋律がここで満を持して現れます。歌声を聴きたい気持ちは山々ですが、一度ぐっと我慢して伴奏だけに耳を傾けてみてください。わたしはこの甘くとろける音色が大好きです。

 

期待通りのことも 奇蹟さえも起こる
ゲレンデの恋ならば 精一杯咲かせて

「咲かせて」で一気に盛り上げて、サビで一気に視界が開ける感じがやっぱり良い。

 

 

◎サビ

1番サビのリピートです。
2番Aメロで躍り出てきて、Bメロで少し影を潜めたソプラノサックスが再び華を添えています。華やかな音色ではありますが基本的に下降系をとる対旋律なので、ほんのりと胸をしめつける切なさや儚さも感じられる気がする。そもそもこのサビ自体、ベース音が下降するいわゆるカノン進行ですしね。そこからうっすらと生まれる物哀しさは、キラキラした鈴の音や、あたたかみのある植草さんの歌声とは対照的な要素だなと思います。このどこか寂しい感じから、ただ今「ゲレンデの恋」真っ最中の二人はゲレンデをあとにしたらどうなるのだろう、なんていらない心配が浮かんできたりして…(笑)

◎Cメロ~間奏

満天の星空を仰ぐ
祈りを込めて 願いを込めて

おそらくこの8小節、暗めの響きをもつマイナーコードが一度も使われていません (わたしの分かる範囲ではD♭→D♭→E♭→E♭→F? それかもう少し複雑かもしれません)。安心する、ほっとするような明るい響きのメジャーコードの連続はつまり、幸せの象徴であるといえるかも?先ほどの心配は無用かな?よかった〜(誰目線)

 

間奏に入ると、まずガラッと曲調が変わって教会音楽のような8小節。イントロ冒頭を思い出させる鐘の音も響いてきます。
そしてまたポップスに戻るんですが、そのきっかけになるドラムの入りが本当に好きです!イントロのドラムの入りと全く同じ理由なんですけど、走り出す感じが良い。ここから先はもう本当に、可愛いの一言に尽きる!個人的にわたしはこの箇所で、若い恋人同士の二人が一面の銀世界を軽い足取りでスキップしてる画や、トナカイがサンタさんとプレゼントを載せたソリを引いて雪の中を駆ける画が目に浮かびます(笑)

 

 

◎ラスサビ

冬は風を連れ 僕は君を連れて
かけぬけて行くよ 果てしない夢の続きに
雪は時を包み 僕は君を包む
優しさの中で 今は真っただ中にいる

1番2番のサビと全く同じ歌詞なので、ここでも同様に「今は真っただ中 Season of Love」と歌って一度フレーズを終わらせて、"Love"のロングトーンに続きをかぶせる方法(伝われ)もあったと思うんですが、あえて「今は真っただ中にいる」というこれまでと違う新しい言葉をもってきたことによって、次の言葉への期待が高まるのかな、と考えます。この曲はもう何度も何度も聴いてるので、この続きは知ってるにきまってるんですが、それでもここは聴く度毎回わくわくするポイントです。

君にあげる愛 僕にくれる愛に
いとおしさが増す
今は真っただ中 Season of Love

ラスサビ、それも最後の最後に初出の歌詞がくるパターン、良いですね!!!とどめの一発的な。
「いとおしさが増す」この曲の中でも一番あたたかくて、一番好きだなと思うフレーズです。もう本当に、植草さんはこういう歌詞が似合うというか、歌ってほしい世界観そのものというか… 聴いてる側も思わずいとおしさがこみ上げてきます(すぐ感情移入する人)。

 

 

 ◎総評

5分46秒の恋物語。これにて完結ですが、この二人はきっとこの冬が終わり季節がまた巡っても、ずっと一緒にいられるんだろうな…と思わせてくれるような、甘く幸せな余韻が残ります。ほほえましい。自担がソロでは悲恋系orなんか色々こじれてる系恋愛ソングばっかり歌ってるわたしからすると、非常にうらやましいです(やめなさい)

とにかくこの曲は、植草さんの歌声といい間奏部分の教会感といい、天使のような響きにあふれていると思いました。幸せを運ぶキューピッドみたい!

 

 

おわりに

ここまでお付き合いくださった方、ありがとうございました!

わたしがこの曲の虜になってから1年が経とうとしています。1年間飽きずに聴き続け、考え続けていたことを数時間で文字に起こしたのでやや粗削りな部分もありますし、音楽的考察は(相も変わらず)間違ってるかもな~という不安もありますが(笑)ブログを始めて以来ずっと書きたかったテーマのひとつだったので、書いていてとても楽しかったです。いつも楽しいけど(笑)

当方ヒガシ担ですが、自担の声が全く入ってなくてもこれだけ好きになれる曲があるって、なんかいいなぁと思いました。

やっぱり、少年隊は最高だー!!!

 

#かっちゃんにやられた3曲

 

7月24日は、植草克秀さんのお誕生日。おめでとうございます!!!💛

 

植草さんは本当に沢山の魅力をもつひとですが、わたしは彼の甘く優しく、それでいて力強く聴き手の心を動かす歌声が、心の底から大好きです。

 

そんな植草さんのお誕生日によせて、今回のテーマは #かっちゃんにやられた3曲 錦織さんのお誕生日に引き続き、フォロワー様考案の素敵なハッシュタグにちなんで、わたしが選んだ3曲について書いてみたいと思います。

 

 

 

Season of Love

忘れもしません、わたしが初めて聴いた植草さんのソロ曲です。関係ないんですけどわたしが『Prism』を初めて手に取ったのは偶然にも1年前の今日、7月24日でした。ナイス自分!

『Prism』の記事でも語っておりますが、とにかく可愛くて可愛い曲。ひとくちに可愛いと言っても、いかにもなあざとい系だったり、ましてや面白おかしく可愛さを狙ったものでもなく、純度100%でキラキラして可愛らしいところが良い。女性アイドルが歌っていてもおかしくなさそうなチャーミングな曲を、発売当時アラサー(!)にして全く違和感なく形にしているのが、アイドル・植草克秀の実力そのものだと思います。同アルバムの、しっとりと歌い上げる『君に降るMelody』との対比も良い。

ゲレンデでの恋人たちを歌った曲ですが、わたしには鈴を鳴らして走り回るトナカイが見える気がします(笑)ファンタジーな世界観も作り出せるのが、植草さんの歌声のすごいところのひとつだなあと感じます。

一般に日本人が好きとされるカノン進行と、植草さんの柔らかい歌声の相乗効果で、この曲の魅力は無限大!!!個人的には、この曲が植草さんのソロ曲の中で一番好きです。真冬の曲ですが、どれだけ暑くても一年中ヘビロテして聴いてます(笑)

 

 

SILENT DANCER

はじけるようなにこにこ笑顔がトレードマークの植草さんが、アイドルスマイルを封印して歌う曲に目がないわたしです。というか、わたしがいわゆる”笑わないアイドル*1”が好きっていうのもあるんですが。笑わない系統の楽曲の中では『SILENT LADY』ともめちゃくちゃ迷ったんですが、僅差でこの曲を選びました。個人的に、ダンスや総合的なパフォーマンスを含めて好きなのは『SILENT DANCER』、曲そのものが好きなのが『SILENT LADY』といったところでしょうか。

嫌いな人はいないと思うんですけど、なんといってもBメロですよ!Aメロで錦織さん・東山さんがラップでかっこよくキメたあとに、植草さんのあのスイートボイスが繰り出されるのがたまりません。「水の中の月さ」ここ、テストに出ますよ……

この曲のパフォーマンスの動画を観ると、ハンドマイクを持っていない方の手や指の動きがしなやかで繊細なところに目をひかれます。顔の表情も見たいしダンスそのものも見たい、でも手の動きも目で追いたい… コンサートや舞台なんかでよくある「目が足りない」現象、映像を観ているだけでもそれを感じさせられます(笑)

 

 

 

Super Star

植草さんのソロといえばこれ!というイメージが強いです。これこそ、植草さんの植草さんによる、植草さんのための名刺曲では!?なんて思います。

というのも、植草さんってスターになるために生まれてきたんじゃないかというか、前世でもアイドルか歌手、俳優かなんかしてたんじゃない?って、本気で思うときがあるんです。もちろんご本人がアイドルという職を選んだことをどう考えてらっしゃるか、本音は知る由もないですが、わたしには人前に立つエンターテイナーが彼の天職に思えて仕方がありません。

「投げキッスの達人」なんて歌詞がありますが、実際の植草さんは意外とウィンクや投げキッス、いわゆるファンサというか”釣り”っぽい仕草を乱発しないところが、わたしはなかなか好きだったりします。パフォーマンスの最中のカメラ目線は抜群に上手いですけどね!

曲としては、途中で3拍子になるのがユニークで楽しいなぁと思います。愉快なミュージカルナンバーという感じ。聴いてるだけで楽しくなってきませんか?

 

 

 

改めて、”笑顔の天才” 植草さん、お誕生日おめでとうございます!大変な世の中ではありますが、植草さんがにこにこ笑って過ごせる時間が沢山ある一年になることを願っています。

 

 

*1:※笑わないのはあくまで歌唱時のみ。Wink欅坂46など

季節外れもいいとこだけど『ひとりぼっちのクリスマス』の話がしたい

 

はじめに 

ずばり、タイトルの通りです!!!

 きらきら光る名曲を集めた宝箱のようなミニアルバム『PARTY』から、東山紀之さんのソロ曲『ひとりぼっちのクリスマス』。この曲に対する、いちヒガシ担の独断と偏見に満ちた感想をお送りします。ちなみにちゃんとした全曲アルバムレビューはそのうち、今年のクリスマス前にでも記事にする予定でいます…!(たぶん)

 

ひとりぼっちのクリスマス

(作詞・作曲:宮下智 編曲:服部克久

 

◎イントロ~1番Aメロ

イントロのストリングスがさっそくちょっと泣かせてきます。でも、これからこの曲が始まるなって、少しだけわくわくする。

My Love いつも夢の中では
あなたを腕に強く 抱きしめているはずなのに

今作も安定の、想い人がそばにいないパターンであることが判明しました。タイトルからもうわかっちゃいるんですが、東山さんソロ曲ではこれが通常運転。

My Love 言葉にならぬ愛を
もてあまし続けてる
内気なピエロ それは僕の事なんだね

なんと二人称が「あなた」ときました。「君」じゃないところがミソだと思ってます。言葉にできない思いが心の中でずーっとくすぶってる、そんな状況で「君」だなんてとても呼べやしないよ…とでも思っていそうな内気な「僕」がいじらしいです。

ていうかこの曲のBメロってどこですか?よくわからないので、便宜上(?)サビ前はAメロとしてまとめてしまいました。違っていたらすみません。

 

◎1番サビ

One Thousand Love
One Thousand Memories
クリスマスキャロル 街にこだまして

サビの最初の小節でサウンドが一気に広がる感じが好きです。讃美歌を思わせるコーラスも良い感じ。その盛り上がりと対照的に、メロディーラインを"Love"で落ち着かせて、"Memories"でもっと落として、「クリ↑ースマス♪」で一気に持ち上げるのがビックリするけど面白い。
CD音源なんて何度聴いても同じなのに、ここの高音はいつも「当たるか?当たるか??がんばれ!」と、応援しながら聴いてしまいます。『STRIPE BLUE』の「てんきあーめ♪」を聴くときと同じ気持ち(笑)

One Thousand Love
One Thousand Memories
ひとりぼっちの Merry X'mas to you

 なんといっても"Merry X'mas"の"mas"の部分がいい。ぶら下げてる感じ?脱力感?とでもいうのでしょうか、なんかため息みたい。そのあとの"to you"をぽつりとつぶやく感じも好きです。

ため息みたい で思ったんですけど、もしこの曲にMVがあったら、コート着てマフラー巻いた東山さんがうつむいてため息をつくのを、横もしくは斜めから撮ったカット(細かい)が120%入ってると思うんですよ。真冬の空気の冷たさで、ほっぺたとか鼻の頭がほんのり赤くなってるとなおいいです(何の話?)。
それからせっかくなのでサビ前には、街中で子どもに風船やなんかを手渡してるピエロをぼんやり眺めてる東山さんのカットも入れましょう。

 

◎2番Aメロ

My Love 地下鉄の改札で
瞳交わす恋人
ワインに洒落たプレゼント

クリスマスといえば!の、有名なCMをも彷彿とさせる光景。(この曲ができた当時にはまだそのCMは世に送り出されてませんが…) 改札近くで立ち話してる男女って、それぞれにドラマがあると思ってます、勝手に。

My Love あなたに似たセーター
あなたに似た髪形
驚くピエロ それは僕の事なんだね

このフレーズの破壊力たるや。「あなた」呼びなのがここでめちゃくちゃ効いてます。
そこにいるはずもないのに、なんとなく外見が似た人を見つけて勝手にドキドキしちゃうことありますね。そういう瞬間って、過去になったはずのその人が自分の心の中にまだちゃんといて、自分はその思い出にまだすがってるんだ、って実感してつらくなる瞬間でもあったり。

 

◎2番サビ

One Thousand Love
One Thousand Memories
ジングル・ベル 妙に悲しいよ

ジングル・ベルって、あんなに明るい曲なのに。どんな明るいメロディーも、それを受け止める心に余裕がなければ、ただ悲しくむなしいものになってしまうんですよね。
それに加えて東山さんが口にする「悲しいよ」は、こんなにも切ない。胸がきゅっとなります。

One Thousand Love
One Thousand Memories
肩先だけの Merry X'mas to you

私だけかもしれないんですけど、ここの"Love"と"Memories"、若干ビブラートに挑戦してるように聴こえるんですよね(単にバックの伴奏との重なり具合で声が揺れてるように錯覚してるだけかも。低音でちょっと聞き取りづらく確信はもてませんが)。東山さんは錦織さん・植草さんに比べるとビブラートのイメージがあまりないので新鮮。もし本当に挑戦してたら、なんかこう、とんでもなくいとおしいです(おこがましい)。

「肩先だけの」これがまた、切なさを増すことば。もしも「あなた」に想いが通じていたなら、「僕」は「あなた」のその肩どころか身体ごとすっぽり、夢の中でそうするように(1番Aメロ参照)抱きしめることだってできたかもしれないのに。 けれども現実の「僕」は、肩先にそっとつぶやくことしかできないんだろうな。

 

◎間奏

この間奏はこの曲におけるCメロに相当すると思います。ボーカルはないけど、とっておきの見せ場という感じ。
なんてったって、ピアノのトリルがいい。パイプオルガンの音こそ使われてないものの、教会にいるような気持ちになります。間奏終わりがけの締めのフレーズも印象的。クラシックか何かからのオマージュか?

 

◎ラスサビ

 1番サビのリピート。

今度の「クリ↑ースマス♪」は、ちょっとビックリしなくなったかな(笑)ちょっとだけ、がならなくなりました。それから、「こだまして」の「て」がわずかにゆらぐのが好き。
これもまた気のせいかもしれないですが、「ひとりぼっちの」と"Merry X'mas"の間に、わりとはっきりめのブレスが聞こえるような気がします。イヤホンでものすごく音量上げてやっとわかるかな?レベルなんですけど… ああ、がんばって歌ったんだなあって、なんか心が動きます。確かにこのサビは難しいね。

 

【総評】

東山さんのウィスパーボイスが天才的にこの曲にマッチしているのは明らかです。22歳・デビューから2年が経ったアイドル真っ盛りの彼と、豪華な制作陣のタッグが残したこんな素晴らしい楽曲、入手困難なミニアルバムの中に埋もれているにはもったいない!!!
1987年のクリスマスに、こんなほろ苦い曲を歌った東山さん。時は流れて1993年、『愛は続けることに意味がある』でのソロ曲は『君のいないクリスマス』。またひとりなのね…… 

 

 

おわりに

ここまでお付き合いくださった方、ありがとうございます!

前回『情熱の一夜』を書いてからずっとやりたかった「1曲で3000字シリーズ」(勝手にシリーズ化)がまたやれて、自己満ですがとっても楽しかったです。また何かやりたいな~!

 

『情熱の一夜』のここが好き

 はじめに

 

1999年6月23日リリース、少年隊23枚目のシングル『情熱の一夜』。

21年前の今頃、あなたは何をしていましたか?私はまだ、つかまり立ちもしてない赤ちゃんだったと思います(笑)

 

少年隊のファンになってから割と早い段階で音源を入手したこの曲については、いつか記事にしたい!とずっと思っていて、「Goodbye&Hello」のアルバムレビューの中でまとめようかなと思っていたのですが、それはしばらく先になりそうなので(笑)

発売日というこの機会によせて、この曲のここが好き!というポイントについて書いてみたいと思います。(今回も例にもれず主観が入りまくりです)

 

 

情熱の一夜 

(作詞:松井五郎 作曲・編曲:馬飼野康二

◎イントロ

 これから何が起こるのかな、と心をざわつかせるような出だし(なぜか私は鬱蒼としたジャングルを連想します)から、"Put your hands on me"って歌い出す直前のティンバレスのソロで一気にテンションが上がる感じが好きです。ティンバレスといえばラテン音楽に欠かせない楽器のひとつですね! そういえば、レッツゴーヤングで『SUMMERならサンバ』を各々楽器を持って歌唱した回があったと思うんですが、あれで錦織さんが叩いてたのがおそらくそのティンバレスだと思います。

ファンの方が某所にあげてくださっている歌番組の歌唱動画を観ると、"Put your hands on me and I'll show you"を植草さんが口ずさみながら踊ってるのがものすごく好き!そしてその時の伏し目がちな表情が、シンプルにかっこいい。

わたしはダンス全くできないし詳しくもないんですが、この曲の振付って、あんまりダンス上手くない人が踊るとただのファニーな動きになっちゃいそうな振りが多くないですか?少年隊(そしてバックのMA)はしっかりスタイリッシュだからすごい。

 

 

◎1番Aメロ~Bメロ

「唇の紅いSUNLIGHT TATOOに刻みたい」出たー!わたしは東山さんが歌うときのタ行の発音が好きなんです。「TATOOに刻みたい」この短いフレーズで3回も頂いてしまいました。ありがとうございます。(?)

「きりがない孤独なら キスで癒えるだろう」の、「♪癒えるだろぉ~~ぉ⤵︎」って最後にちょっと下がる感じが好きなんですが分かって頂けますか?(笑)

「過去は今夜で 散る薔薇になる」錦織さんの余裕?不敵?な歌い方と表情が好き。これぞ大人のアイドル。

「生まれ変わるために」オレンジ色のジャケットで歌ってる動画で、ここを歌う東山さんがなんとワンフレーズの間、ずっとカメラを見つめてるんですよ。珍しくないですか!?あ、こっち見た!どころか、見つめられた。まぁカットが切り替わる直前に首をクッと後ろにやるあの仕草をするんですけど、そこは通常運転(笑)

「涙の跡も 記憶の闇へ」植草さんのソロパートが一番最後にくる歌割りが好き。なんてったってこのあとにも植草さんの歌による大きな見せ場が待ち構えてますからね、これはその伏線?なんて。

「葬り去ればいい」サビに向けて盛り上がるところですが、「いい」で実は音程が下がってるのが面白い。いま試しに「葬り去ればいい~♪⤴︎」って適当に歌ってみたんですが、本来の下がる方がより大人っぽい感じがしました。

ここまでのフォーメーションは東山さんセンター。しかしセンターは固定でなく常に流動的で、誰が0番に立っても見劣りしない少年隊というグループの魅力が存分に生かされていると思っています。

 

 

◎サビ

 サビに入ると同時に錦織さんと東山さんのポジションが入れ替わりますが、その入れ替わりの間にその場でターンを決める植草さんにいつも目を奪われます。かっこいい。

「いま抱きしめて 永遠のNUDA さあ何もかも」とユニゾンできて「脱ぎすて」だけ錦織さんソロになるところに意表を突かれます。ドキッとする。

「ONE NIGHT PARADISE」のPARADISEの発音めちゃ好きなんです。PAのaが[æ](いわゆるcatのa)だったり、rが強めなあたりにAmerican Englishを感じます。(着眼点…?)

 

 

◎2番Aメロ~Bメロ~サビ

「まなざしに濡れるMOONLIGHT 夢を探すTONIGHT」錦織さんの声が、あ、あまい!

「ありふれた人生なんて 嘘で消せるだろう」なんといっても「♪じん゙~せいなんーて」!!脳みそがしびれます。植草さんと東山さんの歌声の組み合わせ、なんかいいな。しょうゆと砂糖を混ぜました!みたいな(???)実際混ぜるとおいしいですよね…

「未来はいつも流れ去る星 誰にもつかめない」「追いかけるだけ ただそれだけが 答えだと言うなら」1番では”過去”2番では”未来”、そして何度も繰り返されるサビは”いま”。なんだかすべてがつながった気がしました。

 

 

◎間奏~Cメロ~間奏

"Don't you know I'm in love? Do you know I'm in love?" 勝手にこれ東山さんの声だと思ってたんですが、合ってます?(急に自信をなくす人)

そしてお待ちかねのパートが!!!歌番組の映像だとここのパートに入る直前、錦織さんと東山さんが横にはけてステージ中央に向かって手を伸ばし、植草さんの独壇場みたいになるところが鳥肌ポイント。植草さんからただならぬオーラを感じます。「心の声が」「ほんとはどんな」の、音が大きく上がるところの歌い方が120%植草さんって感じで大好き。もちろん「♪見てたの~ぉか~あぁ~~」も!うまく説明できないんですが、「か」の伸ばすところが2音になってるところが好きです。

その後の「欲望の迷路~」が始まるまでの間奏になると、ファンクっぽさがより前面に出てきた気がします。わたしの好きなファンカラティー*1の要素を感じます…!

「見ているものそれはすべてYOU DON'T KNOW」のメロディー、作曲家の方ってこんなのどうやって思いつくのだろうと不思議でなりません。すごいなあ。

 

 

◎ラスサビ~アウトロ

 サビをもう一度繰り返してからの、転調!歌詞も変わり、いよいよクライマックスです。トランペットが暴れてる~!!

「今夜だけのPARADISE~」の裏で、ってもう私が何を言うかお分かりかもしれないんですが、 "Don't you know I'm in love? Until the sun goes down..."って歌ってる東山さんのパートがもうそれはそれは好きで。たまにある東山さんの一人で追いかける系のパート、大好物です。でも、「すべてあげるPARADISE」のPARADISEでハモる錦織さんと植草さんはもっと好き!

"ONE NIGHT PARADISE"を歌ってるのに"Until the sun goes down"っていうのは気になります。一夜じゃ飽き足らず…ということ?

アウトロの最後、一瞬のブレイクにボンゴ(たぶん…)がタタタタッてキメて終わるのが最高にかっこいい終わり方だと思います。最後まで走り抜ける感じがいい!

 

 

◎総評

 ありがたいことに、この曲のシングル盤にはオリジナル・カラオケの音源が入っています。1曲を通して音の層が厚く、ピアノが効いてるのは明確だし、ラテン音楽に欠かせない賑やかなパーカッションもしっかりがっつり鳴ってて、ボーカルがなくても聴いていて楽しい!こんなゴージャスな曲、やはり少年隊ならではなんじゃないかなと思います。

 

おわりに

 とうとう1曲で3000字超…ここまでお付き合いくださった方、本当にありがとうございます!何度も聴きながら書いていてすごく楽しかったです。改めてわたしはこの曲が好きなんだなあと感じさせられました。

 

それでは!

 

 

 

*1:Funk-a-Latina(造語。ファンク+ラテンを融合したジャンル)

名盤『WONDERLAND』に思う

 

はじめに

 

1986年12月21日リリース、ミニアルバム『WONDERLAND』。

 

www.johnnys-net.jp

 

このジャケ写、めちゃめちゃ可愛くないですか!?リリース時期からしてもクリスマスプレゼントをイメージしたのでしょうか、80's感満載のファンシーな雰囲気が最高!ちなみに裏面にあるアザーカットが3枚連なった写真、東山さんの表情がほとんど変わってないのがじわじわきます。

 

ジャケ写だけじゃなく、中身もこれまたしっかり素晴らしい。収録曲は4曲と少なめですがどれもインパクトがあり、少数精鋭だなあと感心してしまいます。

 

※今回のレビューは偏愛にまみれたファン目線の感想が多めです。音楽的かつ客観的な分析があまりできていませんが悪しからず。

 

 

 

 

1.ヴギウギ・キャット!

(作詞:安井かずみ 作曲:加藤和彦 編曲:新川博

キャッチ―な歌詞とメロディーがなんとも印象深い!加藤和彦安井かずみ夫妻が少年隊に楽曲提供していることに驚きました。

ディープ・パープルの"Burn"、間奏ではフィンガー5の『学園天国』*1を大胆に引用してあるのも、一度聴いたら忘れられないポイントだと思います。(確信がないのですが『学園天国』の部分の後、ホーンセクションのフレーズもクラシックか何かからの引用?)

3人のかけあいが絶妙。四方八方から合いの手が飛んでくる感じが疾走感にあふれていますよね。特に錦織さんのスキャットに関しては天下一品だと思います(この曲以外だと、『ハロー!』とか大好き)。あと錦織さんパートでいいますと「キャラメル色のおぼろ月」。ここの声色の、まあ色っぽいこと!どこからそんな声が出るんです?

この曲を聴いていると、植草さんの甘い歌声は本当にオールマイティーだなと思わされます。ほんの少し聴いただけで彼の声だと分かるほどいつもブレない、それでいてどんな曲でも浮かない、唯一無二の歌声だと感じます。

最後の「にゃーお」。これはずるいって、ねえ東山さん!クールビューティーで売ってる(とわたしは勝手に思っている)ひとがそんな甘ったるい鳴き声出しちゃって平気です?こちらは全然平気じゃないです(嘘、めっちゃ喜んでます)

 

 

 

2.FRIDAY NIGHT

(作詞:田口俊 作曲:中崎英也 編曲:戸塚修

わたしの中ではTHE アイドルな一曲。少女漫画から抜け出てきたようなビジュアルでこの曲を歌う彼は、すべての女の子に夢を見させてくれる存在に間違いないと思います。アイドルだって生身の人間なのに、それを感じさせないほどのキラキラを身にまとっているというか。

「そうさ今夜は 君が主人公(ヒロイン)」「綺麗だよ ちょっと僕があせるほど君の笑顔輝いてるね」「素顔のままで ほら恥ずかしがらないで」ほら、一言一句がまるで少女漫画の世界!

それから、この曲には結構バブルの香りを感じる気がしています。バブルを知らない世代の想像でしかないんですが、金曜の夜の街、今よりもっとみんなが浮かれてるイメージ。

サビのコード進行、結構これ好きな人多いと思います。(おそらく7thコードの多用?)アップテンポの明るい曲の中に感じる切なさ、少なくとも私はかなり好きです。

1番のサビが終わり、2番が始まると思いきや「こんなに間近に君を感じてる 僕のときめきが聞こえるかい?」いわゆるCメロのようなフレーズがくる変則的な構成にちょっとドキッとします。続きが気になる感じ。

間奏の英語、何度聴いてもやっぱりなんて言ってるか解明できなくてすごく気になっています(笑)部分的に"stay with me, all night long"とか"never forget"は聞き取れるんですけど。皆さまの「こうじゃない?」って意見もぜひお聞かせください!!!どうしても「ワクチン」って聞こえる…!

 

 

 

3.My Little Simple Words

(作詞:戸沢暢美 作曲:JOEY CARBONE 編曲:船山基紀

植草さんのソロ曲には珍しく、メロディーラインの跳躍が少ない曲です。その分、まさにこの曲のタイトルのように、言葉を一つ一つ語りかけるような優しい歌い方が際立っていると思います。それを狙って作られた曲だとしたら、すごくよくできてるなあ!

 「飾らない気持ちだけを」の歌い方が囁くようにせつなくて大好きです。どこまでもよく伸びるのが植草さんの歌声ですが、この曲は全体的にトーンを抑えて穏やかに、歌詞を大事にして歌っているのが感じられます。

それにしても、植草さんは幸せな恋の歌がよく似合うなあ。ソロ曲の割り振りってどんな感じで行われてたんでしょうか。錦織さんは比較的バリエーションに富んだ曲に挑戦してる感じがありますが、植草さんは幸せなラブソングもしくは思い切りポップな歌、東山さんは失恋・悲恋系ラブソングとわりと系統が定まっている感じがしたので、ふと気になりました。 

 

 

 

4.永遠の恋人

(作詞:田口俊 作曲:和泉常寛 編曲:船山基紀

この曲、儚い歌声期の東山さんが歌ってくれてよかった!!!と、心底思います。この頃の彼の歌声の儚さや不安定さ、時に音程のぶら下がる感じが、この曲が描く不安に揺れ動く心を見事に表現していると思うのです。具体的には、ビブラートとはまた異なる語尾のわずかなゆらぎとか、かすかな音程の迷いが、まさに「愛にさまよう」感をよく表していると思っています。

スローな冒頭から、メロディーのもつ切なさはそのままに突然テンポアップするのがすごく好きです。独り苦しくもがいていたけれど、ついに抑えきれない感情があふれたみたいで。

サビの"Misty Dream"を聴くと、"Love is a mystery"ではじまる中森明菜さんの『北ウイング』をぼんやり思い出したりします。曲のもつ疾走感であったり、雰囲気がどことなく似てる気がするんですよね。

少々無粋な話ですが、東山さんはソロ曲においてなかなか「君」に会えないですね…!(参考:『君がいない』『ひとりぼっちのクリスマス』『君のいないクリスマス』『フィエスタ・de・VENUS.』etc.) 錦織さん・植草さんの曲では「君の笑顔輝いてるね」「心のまん中はいつだって君の場所」とか言えてるのに、東山さんのこの曲だけは もう現実では二度と会えないであろう「君」に、夢の中でやっと会えるか会えないか… 二人が"いつかきっと、一緒になれる"ことをわたしも願ってやみません(誰目線?)。

最後の台詞を聴いてふと思ったのですが、もし「君」がすでにこの世にいないのだとしたら… 「君」を失った孤独の中で現実を受け入れられないこの曲の主人公は、彼女を想うあまり錯乱状態に陥っていて、今にも彼女のあとを追ってしまうのではないか、そんな怖さすら感じます。曲の背景にある物語とかを考えるのが結構好きなのでよくこういう考察をしてしまうのですが、さすがにここまでは考えすぎ?

 

 

 

おわりに

このアルバムが好きすぎるあまり、長文駄文に磨きがかかってしまいましたが、ここまでお付き合いくださった方、ありがとうございました。

 

Twitterでこのブログの更新をお知らせすると、読んでくださった皆さまがそのお知らせツイートのリプ欄に感想を書いてくださるのが、毎回本当にうれしいです。一ファン(それもド新規後追い)の独り言ですから、読んでいただけるだけでありがたいのに… ここまで読んでくださった皆さまにはバラとケーキを添えて、真心をおくります。(笑)ありがとうございます!💝

 

*1:『学園天国』も厳密にはGary U.S. Bondsの"New Orleans"がオリジナルのようです(Wikipedia「学園天国(曲)」参照)