Where the Sun Rises

あなたのことを覚えておくために

名盤『WONDERLAND』に思う

 

はじめに

 

1986年12月21日リリース、ミニアルバム『WONDERLAND』。

 

www.johnnys-net.jp

 

このジャケ写、めちゃめちゃ可愛くないですか!?リリース時期からしてもクリスマスプレゼントをイメージしたのでしょうか、80's感満載のファンシーな雰囲気が最高!ちなみに裏面にあるアザーカットが3枚連なった写真、東山さんの表情がほとんど変わってないのがじわじわきます。

 

ジャケ写だけじゃなく、中身もこれまたしっかり素晴らしい。収録曲は4曲と少なめですがどれもインパクトがあり、少数精鋭だなあと感心してしまいます。

 

※今回のレビューは偏愛にまみれたファン目線の感想が多めです。音楽的かつ客観的な分析があまりできていませんが悪しからず。

 

 

 

 

1.ヴギウギ・キャット!

(作詞:安井かずみ 作曲:加藤和彦 編曲:新川博

キャッチ―な歌詞とメロディーがなんとも印象深い!加藤和彦安井かずみ夫妻が少年隊に楽曲提供していることに驚きました。

ディープ・パープルの"Burn"、間奏ではフィンガー5の『学園天国』*1を大胆に引用してあるのも、一度聴いたら忘れられないポイントだと思います。(確信がないのですが『学園天国』の部分の後、ホーンセクションのフレーズもクラシックか何かからの引用?)

3人のかけあいが絶妙。四方八方から合いの手が飛んでくる感じが疾走感にあふれていますよね。特に錦織さんのスキャットに関しては天下一品だと思います(この曲以外だと、『ハロー!』とか大好き)。あと錦織さんパートでいいますと「キャラメル色のおぼろ月」。ここの声色の、まあ色っぽいこと!どこからそんな声が出るんです?

この曲を聴いていると、植草さんの甘い歌声は本当にオールマイティーだなと思わされます。ほんの少し聴いただけで彼の声だと分かるほどいつもブレない、それでいてどんな曲でも浮かない、唯一無二の歌声だと感じます。

最後の「にゃーお」。これはずるいって、ねえ東山さん!クールビューティーで売ってる(とわたしは勝手に思っている)ひとがそんな甘ったるい鳴き声出しちゃって平気です?こちらは全然平気じゃないです(嘘、めっちゃ喜んでます)

 

 

 

2.FRIDAY NIGHT

(作詞:田口俊 作曲:中崎英也 編曲:戸塚修

わたしの中ではTHE アイドルな一曲。少女漫画から抜け出てきたようなビジュアルでこの曲を歌う彼は、すべての女の子に夢を見させてくれる存在に間違いないと思います。アイドルだって生身の人間なのに、それを感じさせないほどのキラキラを身にまとっているというか。

「そうさ今夜は 君が主人公(ヒロイン)」「綺麗だよ ちょっと僕があせるほど君の笑顔輝いてるね」「素顔のままで ほら恥ずかしがらないで」ほら、一言一句がまるで少女漫画の世界!

それから、この曲には結構バブルの香りを感じる気がしています。バブルを知らない世代の想像でしかないんですが、金曜の夜の街、今よりもっとみんなが浮かれてるイメージ。

サビのコード進行、結構これ好きな人多いと思います。(おそらく7thコードの多用?)アップテンポの明るい曲の中に感じる切なさ、少なくとも私はかなり好きです。

1番のサビが終わり、2番が始まると思いきや「こんなに間近に君を感じてる 僕のときめきが聞こえるかい?」いわゆるCメロのようなフレーズがくる変則的な構成にちょっとドキッとします。続きが気になる感じ。

間奏の英語、何度聴いてもやっぱりなんて言ってるか解明できなくてすごく気になっています(笑)部分的に"stay with me, all night long"とか"never forget"は聞き取れるんですけど。皆さまの「こうじゃない?」って意見もぜひお聞かせください!!!どうしても「ワクチン」って聞こえる…!

 

 

 

3.My Little Simple Words

(作詞:戸沢暢美 作曲:JOEY CARBONE 編曲:船山基紀

植草さんのソロ曲には珍しく、メロディーラインの跳躍が少ない曲です。その分、まさにこの曲のタイトルのように、言葉を一つ一つ語りかけるような優しい歌い方が際立っていると思います。それを狙って作られた曲だとしたら、すごくよくできてるなあ!

 「飾らない気持ちだけを」の歌い方が囁くようにせつなくて大好きです。どこまでもよく伸びるのが植草さんの歌声ですが、この曲は全体的にトーンを抑えて穏やかに、歌詞を大事にして歌っているのが感じられます。

それにしても、植草さんは幸せな恋の歌がよく似合うなあ。ソロ曲の割り振りってどんな感じで行われてたんでしょうか。錦織さんは比較的バリエーションに富んだ曲に挑戦してる感じがありますが、植草さんは幸せなラブソングもしくは思い切りポップな歌、東山さんは失恋・悲恋系ラブソングとわりと系統が定まっている感じがしたので、ふと気になりました。 

 

 

 

4.永遠の恋人

(作詞:田口俊 作曲:和泉常寛 編曲:船山基紀

この曲、儚い歌声期の東山さんが歌ってくれてよかった!!!と、心底思います。この頃の彼の歌声の儚さや不安定さ、時に音程のぶら下がる感じが、この曲が描く不安に揺れ動く心を見事に表現していると思うのです。具体的には、ビブラートとはまた異なる語尾のわずかなゆらぎとか、かすかな音程の迷いが、まさに「愛にさまよう」感をよく表していると思っています。

スローな冒頭から、メロディーのもつ切なさはそのままに突然テンポアップするのがすごく好きです。独り苦しくもがいていたけれど、ついに抑えきれない感情があふれたみたいで。

サビの"Misty Dream"を聴くと、"Love is a mystery"ではじまる中森明菜さんの『北ウイング』をぼんやり思い出したりします。曲のもつ疾走感であったり、雰囲気がどことなく似てる気がするんですよね。

少々無粋な話ですが、東山さんはソロ曲においてなかなか「君」に会えないですね…!(参考:『君がいない』『ひとりぼっちのクリスマス』『君のいないクリスマス』『フィエスタ・de・VENUS.』etc.) 錦織さん・植草さんの曲では「君の笑顔輝いてるね」「心のまん中はいつだって君の場所」とか言えてるのに、東山さんのこの曲だけは もう現実では二度と会えないであろう「君」に、夢の中でやっと会えるか会えないか… 二人が"いつかきっと、一緒になれる"ことをわたしも願ってやみません(誰目線?)。

最後の台詞を聴いてふと思ったのですが、もし「君」がすでにこの世にいないのだとしたら… 「君」を失った孤独の中で現実を受け入れられないこの曲の主人公は、彼女を想うあまり錯乱状態に陥っていて、今にも彼女のあとを追ってしまうのではないか、そんな怖さすら感じます。曲の背景にある物語とかを考えるのが結構好きなのでよくこういう考察をしてしまうのですが、さすがにここまでは考えすぎ?

 

 

 

おわりに

このアルバムが好きすぎるあまり、長文駄文に磨きがかかってしまいましたが、ここまでお付き合いくださった方、ありがとうございました。

 

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*1:『学園天国』も厳密にはGary U.S. Bondsの"New Orleans"がオリジナルのようです(Wikipedia「学園天国(曲)」参照)