Where the Sun Rises

あなたのことを覚えておくために

ファーストビデオ『少年隊』

 

はじめに

 

1984年5月21日、ちょうど36年前の今日発売されたビデオ『少年隊』。

 

www.johnnys-net.jp

 

錦織さん18歳、植草さん・東山さん17歳。*1 グループがこの3人体制になってからはこの時点で2年余り経っていますが、まだ初々しさの残る3人がとにかく一生懸命、三者三様にアイドルしています。

 

 

映像作品について感想を書くのはあまり得意ではないのですが、名曲ぞろいのこのビデオに関してはいつか書いてみたいと思っていたので、発売日のこのタイミングで書いてみることにしました。乱文具合に磨きがかかってますが、お暇な方はお付き合いください。

 

 

 

 

01.あなたに今Good-by

(作詞:宮下智 作曲:新田一郎 編曲:新田一郎馬飼野康二

レコードデビュー前のオリジナル曲の中でも代表曲といえるのではないでしょうか。歌番組でも何度も披露していますね!このビデオには入っていませんが、イントロのロボットダンスな振り付けが好きです。東山さん→錦織さん→植草さんと動きが連鎖していく感じ、つい何度も観たくなります。

このビデオのイントロでは振り向いた3人の顔がアップになりますが、圧倒的に顔が良い!!!よくぞこんな3人を集めてくださいました。ジャニーさんありがとう。

Delaの宣伝でもお馴染みのメンバーカラーの衣装を身にまとい、高層ビルの屋上で颯爽と踊る3人。それにしても空撮とは、制作陣も気合が入ってますね…!

「っとかいっをーよこぎぃってーーっながれーぼしがはーしるー♪」流れ星どころか、軽く衝撃すら走る歌い出し。しかしこれがたまらなく癖になるんですよね… ちなみに10thコンの映像を観たときはちゃんと「都会を横切って 流れ星が走る」だなと思いました。10年の歳月を経た初期曲はエモい…

「心ときめくほど 二人遠くになってしまうと 笑って言った」ここの切なくメロディアスになる感じが好き。伴奏のストリングスが効いてます。

ロケーションは倉庫(?)へと切り替わり、リップシンクへ。錦織さんパートの「二人だと~♪」にご注目。指差し→首をクッと後ろにやる動作がかっこよすぎて… 今これを書きながら、そこだけ3回巻き戻して観ました(笑)間奏のダンスもまたカッコいい。

このビデオのリード曲ともいえますね!今からでも音源化してほしい一曲です。

 

 

 

02.横浜ABC【植草克秀ソロ】

(作詞・作曲:宮下智 編曲:石田勝範

ソロ曲一発目は植草さん!

原色×原色な衣装のカッちゃん少年がかわいいです。が、歌になってみるとちょっぴり尖った歌い方もできるというのがギャップ…!たまに巻き舌になっちゃったりもして。この少年、かわいいだけじゃありません。

曲としてはほんのりシ〇がき隊を思わせるテイストだなと思いました。植草さんの時々がなる歌い方が合ってる感じがします。宮下智先生の書かれる曲は実に幅広いですね…

船の上でバク転してるのにはちょっとジワりました。危なくない?

 

 

 

03.急げ!若者

(作詞:千家和也 作曲:戸倉俊一 編曲:石田勝範

大先輩、フォーリーブスの楽曲をカバー。ご本家様は渋くて素敵ですが、少年隊は溢れ出す若さを爆発させてます。

ウェストサイドストーリー感にジャニーさんイズムを感じます(笑)間奏では少年隊の最強シンメが取っ組み合い殴り合い。が!そこに割って入るように現れてソロパートを歌い上げる植草さんがめちゃくちゃカッコいい!!!「幸せになれるさ 恋人よどうか 泣かないで」でそれぞれが顔を見合わせるときの表情が好きです。

最後にバックで踊ってる人たちがはけて3人が引きで写りますが、揃いも揃ってみんな腰が高い!顔もよければスタイルもいい。すごい集団だ…

 

 

トークコーナー~

合宿所でのあれこれ。わざと時間ギリギリまで植草さんを起こさない悪質ぶりを暴露される東山さん(笑)そして始まる、目覚まし消してる消してない論争。東山さんの舌っ足らずなしゃべり方が健在!!!

突然弟2人がリーダーを褒め始めたかと思えばなぜか植草さんが爆笑しだしたり、錦織さんがふざけたり。話がすぐあっちこっち行きますが、きっと合宿所での空気感もこんな風だったんでしょう。錦織さん曰く「笑ってなきゃあ、やなの。しらけたらはびんちょだもん」。「はびんちょ」って初めて聞いたんですけどどういう意味だろう。仲間外れみたいな?

映像はトークとは関係なくレコーディング風景が流れてますが、植草さんが「もう髪の毛整えちゃってさぁ!」って言ってる時の映像の錦織さんの動作が謎でツボってます。ティラノサウルスみたい。

 

 

 

04.あいつとララバイ

(作詞・作曲:宮下智 編曲:石田勝範

初めての主演映画の主題歌。『お前のララバイ』というタイトルだった時もあるようです。*2

「半端な男だったよ」の、手を振る振り付けがかわいい。ゴールにぶら下がってうれしそうな東山さんがかわいい。ああ、語彙力がなくなってゆく…

「胸のギターが急にファズれば」ファズって確か、エレキギターエフェクターの一種ですよね。胸がぎゅーーーんってなるってことかな。言葉選びのセンスがすごい。

 「熱いリズムが体ぬけるぜ」ここの錦織さんの、「ぬける~ぜ~~」っていうタメ具合が好き。2番の「とーびの~った~~」ではウィンクまでキメてくるんですよ、恐ろしい子…!この曲に限らず、このビデオにおいては全体的に錦織さんの表現力が頭ひとつ抜けてるなと思います。

 

 

 

05.恋は素早く【東山紀之ソロ】

(作詞・作曲:宮下智 編曲:石田勝範

 で、伝説…!これを観ているとなんだか異世界に飛ばされた気分になるのは、きっと私だけではないと思っています。

リップシンクのところはまだいいんですよ、MVみたいな感じで。でもピエロは!? 植草さんのなんて、よくこれでGOサインが出たなと思いました。(笑)アイドルとは。

コードの知識は全然ないのですが一応コードの書いてある歌詞本を見てみると、見事なまでのマイナー(短調)コードの連続にびっくりしました(笑)そりゃちょっとあやしくもなるわ。

この曲を一言で総評するなら、高熱でうなされてる時に見る夢みたいですね…「ばかやろーーー!」で目が覚める感じ。

 

 

 

06.トワイライト・フィーリング

(作詞:SHOW 作曲:佐藤健 編曲:石田勝範

夕暮れ時に聴きたくなる名曲。これも音源化してほしいなあ…

街を歩く3人のちょっと大人っぽい衣装がすごく好きです。80年代!って感じ。

植草さんの、「そっと指に触れてごらん」で小指をたてるしぐさが素敵です。錦織さんの伏し目がちな表情がとってもきれい。まつ毛が長くて見とれてしまいます。

そういえばこの曲、のちに武道館コンで歌うときは "I gotta twilight" の節の切り方がちょっと違ってますね!プチ発見。

平成生まれの私からすると、この映像にうつるひとつひとつの街の風景にとても憧れを感じます。このロケ地って今もまだあるのかな…

 

 

トークコーナー~

【BGM:07.Instrumental(作曲・編曲:石田勝範)】

夢を語らう3人。「夢は大きく」「少年隊ワールドツアー!」数年後、彼らはアジアツアーを実現するんですよね…!インターネットのある昨今では、アイドルが海外ファンを獲得することへのハードルも若干下がったかと思いますが、そんなものはない36年前。のちに”日本発、世界行”を掲げてデビューし、国を超えて羽ばたくことになる3人の心意気に、なんだかじーんときます。

 

 

 

08.踊り子

(作詞:阿久悠 作曲:井上忠夫 編曲:石田勝範

まだオリジナル曲をもたない時代に沢山歌ってきた、大先輩の曲。思い入れもあることでしょう。そう思って聴くとイントロから泣きそうになったりして。

映像は「レッツゴーヤング」に出演したときのもの。ハチマキについてる羽根はきっと若さの象徴。しかしこの頃の衣装は色々な意味でスゴいのが多いですね… 『Summerならサンバ』と『アフリカーノ』なんて特に。とにかくインパクト重視な感じがしますよね。

「別れていきましょう」「夢と割り切って」を錦織さんが歌ってる映像も観たことがありますが、個人的にはやっぱり植草さんが歌うのがしっくりくるなと思います。

 

 

 

09.危険な恋のムーンライト【錦織一清ソロ】

(作曲:小林和子 作曲:佐藤健 編曲:石田勝範

皆さんお待ちかね!スーパースター・錦織一清のワンマンショーの始まりです。

弱冠18歳にしてこの完成度。完全に曲を自分のものにしていて、この曲に関してはノリがアイドルというよりミュージシャン。「危険な」というだけあってちょっと大人っぽい、シティポップみのある歌なのに、歌にうたわされてないんですよね。多分ですけど、錦織さんの音楽の好みがそうさせたんじゃないかなって思います。自分よりちょっと上の世代が好むような音楽を聴いてるイメージがあるので。

「遠いネガのようだね」と歌ってから食い気味に「俺の背に」って入るのが好きです。

「愛しか見えない~♪」のタイミングで車の下から同時にニョキっと出てくる弟ふたりがツボ。あ、あと!「君を離さない~♪」でばーんってするの、見ました!?あれは反則。

車をバックに歌い踊るシーンの照明がいい感じ。曲はもちろんですが映像だけ見てもなかなか好きです。

 

 

 

~エンディング~

【BGM:10.Instrumental(作曲・編曲:石田勝範)】

エンドロールとともにBehind The Scenes的な映像が流れます。か、かわいい… こんなあどけない姿を映像に残してくれてありがとうの気持ちでいっぱいです。

 

11.Remember【錦織一清ソロ】

(作詞・作曲:宮下智 編曲:石田勝範

今回メンバー内で唯一、ソロ曲を2曲歌った錦織さん。アイドルグループでは実情としてメンバー内の扱いに何らかの形で差が出ることがほとんどですが、このビデオも例にもれず、正直に言って錦織さんプッシュが強いなと感じます。いうなれば圧倒的センター。レコードデビュー前はその傾向が特に顕著で、「ピンキーパンチ大逆転」の役付きなんかモロにそうですよね。(入所が一番早かったことや、実力からしてもこれは当たり前だと思います)が、この後レコードデビューするとだんだんバランスがとれてきて、数年後には誰が真ん中に立ってもおかしくないグループになったと思うんです。3人で一人前じゃなくて、一人前が3人。先ほどのトークでもこう話してましたが、ちゃんと有言実行してますね。

「この言葉を大切に 一期一会」

「これからの人生 君といっしょに 歩いて行きたい」

「ほんのわずかな キミとボクだけの 想い出 ありがとう そして今日から— Remember you」

アイドル雑誌によくある手書きメッセージが流れます。こちらこそありがとうの気持ちです。一度しかない青春をアイドルという仕事に捧げてくれてありがとう。少年隊になってくれてありがとう。言い出したらきりがないけど… 結論!少年隊、ありがとう!!!

 

 

 

おわりに

若かりし頃のお三方があまりにかわいくて、語彙力が確実に溶けていくのを感じました。ブログを書くにしては致命的(笑)ここまでお付き合いいただいた方、ありがとうございました。

 

この記事を書くにあたって、このビデオのPRのために出演した歌番組の動画を、動画サイトで何本か観ました。歌前のインタビューに緊張した面持ちで答えたり、『あなたに今Good-by』を懸命に歌い踊る彼らの姿から「爪痕を残したい」「絶対に売れてやる」という気迫を感じて。のちに押しも押されもせぬアイドルになる少年隊にもこんな時期があったんだなあと、なんだかとても感慨深くなりました。

 

少年隊って、最強のアイドルグループだな。

 

 

 

 

*1:発売日時点。発売日翌日は錦織さん19歳のお誕生日

*2:1983年、レッツゴーヤング初登場時に披露